ポーチに巾着、かばんなど、既成の型紙ではなくて自分サイズでデザインから作りたい!
と考えたときにデザインの肝になるのが「マチ」なんです!
マチは作り方がすごくたくさんあって、それぞれ特徴や難易度が違います。
オリジナルの作品を作るのに大切な要素になる「マチ」について、特徴や作り方を代表的な5種類取り上げて解説します。
マチの縫製①つまみマチ
つまみマチは一番一般的なマチで、底を三角に折って縫うタイプのマチです。
ポーチやかばんなどはこのつまみマチで作られていることが一番多いのではないでしょうか。
つまみマチの特徴
つまみマチはすっきりした印象で、角をしっかり出して立体的に仕上げることができます。
マチの幅を広くとれば、素材によっては自立することも可能です。
つまみマチを使ったおすすめ作品
自立するという特徴を生かして
- 大容量のペンケース
- たくさん入る化粧ポーチ
- 革や帆布のトートバッグ
などがおすすめです。
つまみマチの作り方
つまみマチの作り方はご存じの人も多そうですが、おさらいがてら手順を見てみましょう。
まずは本体をペタンコに縫うところからスタート。
裏地をつけない場合は縫い代をジグザグミシンやバイヤステープで処理しておきます。
脇線と底線を重ねるように立体的に角をつまみ、仮止めします。
底も縫い合わせて作るときは、縫い代を左右に倒すとゴロゴロしないよ。
つまんだ部分をミシンで縫います。
ステッチは脇線・底線のラインと垂直になるように縫ってくださいね。
角はこのまま残しておいてもカットしてもいいですし、最初から角部分を四角く切ってから縫い始める方法もあります。
マチの縫製②たたみマチ(外に折る折りマチ)
たたみマチとは、いわゆるキャラメルポーチのようなマチです。
底をたたんで脇線を縫うだけで簡単にマチになるので、初心者さんにもやさしい作り方です。
たたみマチの特徴
たたみマチは角の部分に生地の重なりができるのが特徴です。
そのため、分厚い生地を使うときや、厚みを出したくないときには向きません。
逆に角部分に強度を出したり安定させたいときにはおすすめのマチです。
重ねて縫う縫い方から裏地をつけにくく、1枚仕立ての作品と相性がいいのも特徴です。
たたみマチを使ったおすすめ作品
たたみマチを使うのがおすすめ!という作品はあまりなくて、ポーチやバッグなど万能に使えます。
しいて上げるならキャラメルポーチがたたみマチを使った作品の代表です。
たたみマチの作り方
たたみマチはその名の通りたたんで作ります。
つまみマチを違い、わざわざマチを作るだけの工程なしで作れます。
脇線を合わせて、底から数センチを内側に折りこみます。
この時に折った長さ×2がマチの長さになります。
底を織り上げた状態で脇線をステッチして縫い代をジグザグやバイヤスで処理すれば、これでもうたたみマチの完成!
簡単すぎますです…
簡単でしょ??
マチの縫製③隠しマチ(中に折る折りマチ)
隠しマチとは、外から見るとマチがないように見え、たたみマチとほぼ同じ作り方で作れます。
隠しマチの特徴
隠しマチはマチ部分が内側に隠れているため、たたむとマチが外側から見えなくなるのが特徴です。
ものを入れたときにマチが出てくる、といった印象なので、すっきり見せたいときにおすすめです。
こちらも硬めの素材を使えば自立しやすくなります。
たたみマチと同じ作り方なので、裏地なしの1枚仕立てで作る作品向きです。
隠しマチを使ったおすすめ作品
隠しマチはシンプルな印象でなおかつたたみやすいため、
- サブバッグ
- エコバッグ
などによく使われます。
隠しマチの作り方
縫い方はたたみマチとほぼ同じです。
サイド部分を縫うのに中表に合わせます。
そこから数センチを折り上げて仮止めします。
この折り上げた分×2がマチの長さになります。
折り上げた状態でサイドを縫います。
脇線をステッチして縫い代をジグザグやバイヤスで処理して完成です。
またまた簡単すぎです…
マチの縫製④ダーツのマチ
ダーツのマチは本体部分を立体的にして2枚合わせにすることによりマチを作る方法です。
ダーツはワイシャツのウエストを絞るときによく使われる手法だよ。
ワイシャツを裏から見たら縦にピラピラしてるあれです!
難易度的にはそこまで難しくないので、練習がてらダーツのマチを使った簡単なポーチを作ってみるのもおすすめですよ。
ダーツのマチの特徴
ダーツのマチは底の角を丸く仕上げたい時におすすめのマチです。
ふんわりしたかわいい印象に仕上がり、容量よりデザイン性を重視したいときにおすすめです。
ダーツのマチを使ったおすすめ作品
控えめなマチになるダーツのマチは、例えばこんな作品におすすめ。
- グラニーバッグ
- クラッチバッグ
- 皮革製バッグ
デザイン性のあるバッグによく使われています。
底が丸いバッグにもおすすめですよ。
ダーツのマチの作り方
ダーツ部分を切り取った型紙を使って印をつけてもいいのですが、時短したい人は以下の手順がおすすめ。
2枚重ねにしたものをさらに半分に折って角4枚をきれいに重ねます。
ダーツの始点にノッチ※を、頂点に目打ちで穴をあけます。
これで4枚同時に同じ位置に印がつけられるよ♪
目打ちの穴は、布ならクシュクシュでなくなるです。
革やビニールコーティングには使っちゃダメです。
※ノッチ…縫い代部分に2㎜ほどの切込みを入れて目印にすること。
ノッチ同士を合わせて目打ちの穴を通るように折って仮止めします。目打ちの穴めがけて縫い代側からステッチをかけます。
ほつれ止めのために頂点から2~3㎝程空ミシン※をかけて結んでから糸を切ります。
※空ミシン…布がない状態でミシンをかけること。上糸と下糸がしっかり絡まるためほつれ止めになる。
本体2枚を中表に合わせて、ダーツの縫い目を待ち針で留めます。
縫い代を互い違いになるように倒して厚みを分散させます。
脇線と底を縫い合わせます。
ダーツのマチはダーツの角度によってマチの大きさが変わります。
鋭角なダーツにすれば厚みが出ずふんわりした印象になります。
このダーツを90度にするとつまみマチと同じ見た目になります。
マチの縫製⑤別布のマチ
別布のマチは、本体とは別取りでマチのパーツが必要になるため、工程が増える分難易度も上がります。
ですが丸型やり立方体、シェル型などデザインの幅が広がるため、手が慣れてきたら一度はチャレンジしたいマチとも言えます。
別布のマチの特徴
別布のマチは本体に対して垂直に縫い付けるのが基本です。
そのため立体的な形に仕上がります。
一番自由なデザインが作れるのが別布のマチです。
別布のマチを使ったおすすめ作品
別布を使ったおすすめの作品はたくさんありますが、名前が付いているものを上げるなら
- バニティケース
- シェル型ポーチ
- ボストンバッグ
と作れる形がバラエティーに富んでいます。
別布のマチの作り方
今回は側面をぐるっと一周別布で作るマチのやり方を解説します。
ファスナーの両端に上のマチと、底部分に下のマチとを、別布で用意します。
ファスナーと上のマチを縫い合わせた幅=下のマチの幅
で用意してね。
ファスナーの両脇に上のマチを縫い付けます。
ファスナーが付いた上のマチに下のマチを中表に合わせてわっか状に縫い、縫い代を下のマチ側に倒してステッチします。
本体の上と底の真ん中に印をつけます。
マチも上のマチと下のマチの真ん中に印をつけます。
印同士を中表に合わせて待ち針で留め、上と下を角から角まで待ち針で留めます。
上と底の角から角までを縫い合わせ、マチに切込みを入れて両端を仮止めし、縫い合わせます。
反対側も同じ手順で縫い合わせます。
縫い代はジグザグミシンかバイヤステープで処理して完成です。
ポーチをつくのにおすすめしたいちょい足しアイテムがタグ!
隅っこにちょこんとつけたり、重ねてたくさんつけたり、好きな位置に好きなものをつければ一気にオリジナル感が出ますよ。
タグは自分で作ってもいいのですが、ポーチをたくさん作るなら気に入ったものをストックしておくと便利!
実はタグだけ売ってるんだ!
これは!たくさんキュートなポーチが作れるです…
いろんなタグが入ったセットなら、布地や完成イメージに合わせてチョイスできますね。
まとめ~出来上がりイメージからマチを考えると◎!
マチはポーチづくりに欠かせない要素です。
いろんな手法があって印象もそれぞれなので、作りたい物のイメージからどんなマチにするかを考えましょう。
まずはオーソドックスなつまみマチからやり方を覚えて、徐々にいろんなマチにチャレンジするのもおすすめです。
ハギレが余ったらぜひ小さなポーチを作って、いろんなマチを試してみてくださいね。