接着芯とは…?
お裁縫初心者さんには接着芯がよくわからなかったり、どんなものを選んでいいのか困ったりはあるあるです。
私もかつては材料費をケチるために「接着芯を貼る」という指示を無視したことも数知れずありますが、本来必要な部分に接着芯を省略していい物ができなかった経験は数知れません。
この記事では接着芯の目的や種類、貼り方に至るまで、接着芯の必要性や使い方について解説します。
プロクオリティの作品を作ってみたい!という向上心のある人はぜひこの記事を参考にしてくださいね。
接着芯って何?
接着芯の目的は…?
の前に、接着芯とは?について少し解説します。
接着芯とは、その名の通り接着して付ける芯のことです。
裏面に熱で溶ける糊が付いているので、アイロンを当てると貼りつけることができます。
「芯」と言いうだけあって、生地をしっかりさせたいときにとても便利なアイテムです。
ただし洗濯や摩擦ではがれてしまうので、接着芯を貼った状態でほかのパーツと縫い合わせたり、裏地をつけたりする場面が多いです。
接着芯は何のために貼るの?
アイロンでなぜわざわざ接着芯を貼るのって工数が増えて面倒ですよね。
それでも貼るのは、貼った方がきれいに仕上がるからです。
ひと手間、というやつです。
具体的にどこにどんな目的で貼るのかも解説するよ。
接着芯の目的①張りを出すため
接着芯を貼ると生地に張りが出ます。
フワっとではなくパリっと、もしくはカチっと仕上げたいときに接着芯を貼ります。
シャツを例に挙げると、襟やカフスは接着芯を貼ってパリっと、身頃は貼らずにフワっと仕上げることが多いです。
接着芯の目的②強度アップ
接着芯を貼ると強度が上がります。
ポケットの口の部分には「力布」というものが使われていますが、これは接着芯を丸く切ってポケット口の両端の裏側に貼られていることが多いです。
ポケット口は力がかかるので、布だけで取り付けるより接着芯を貼った状態で縫い付ける方が強度が上がります。
接着芯の目的③型崩れ防止
型崩れを防ぎたい時にも接着芯を使うことがあります。
例えばシャツの前立て(ボタンが付いている前中心の縦のパーツ)は、強度アップと型崩れ防止のために接着芯が貼られることが多いです。
接着芯の目的④縫いやすくするため
接着芯は縫いやすくするためにも使われます。
例えば
- バイヤスにカットした生地
- ほつれやすい生地
- 良く伸びる生地
- 薄すぎて柔らかく、ミシンが掛けにくい生地
などに接着芯を貼ることで、ミシンを美しく掛けることができます。
ファスナーをつける部分に接着芯テープを貼るのは、強度アップの意味もありますが縫いやすく美しく仕上げる効果もあります。
接着芯をリボン状にしたものが「伸び止めテープ」とも呼ばれているよ。
接着芯の目的⑤厚みや硬さを出すため
生地を厚くしたい、硬くしたいときにも接着芯を使います。
例えば帽子にはほとんどの場合接着芯を使っています。
特にブリム(帽子のフチ)部分には硬さと厚みが欲しいので、厚めの接着芯を貼ることが多いでしょう。
目的別~接着芯の選び方
目的が分かったところで、次にどんな接着芯を選べばいいのかも解説します。
接着芯には主に3種類あります。
種類 | 特徴 | 使用目的 |
---|---|---|
不織布タイプ | ・紙に近い ・安価で入手しやすい | ・布小物 ・かばん |
織布タイプ | ・コットンの風合い ・布感がある ・張りがしっかり出る | ・シャツ ・パンツのウエストベルト ・フォーマルな印象の服 |
ニット地タイプ | ・伸縮性がある ・柔らかい風合い ・さりげなく使える | ・ワンピース ・フォーマルな印象の服 |
それぞれ厚みの違うものが販売されているので、生地の厚みに合わせて接着芯を選びましょう。
どんなものにどんな接着芯を選べばいいのかを解説します。
小物類には不織布タイプがおすすめ
不織布タイプは使い捨てマスクを想像してもらえばわかりやすいでしょう。
布というよりも紙に近い風合いで、貼ると硬さや張りがしっかり出ます。
パリッと硬く仕上げたいポーチや、かっちり感のあるかばんを作るときに向いています。
100均でも入手可能で、手芸店でも比較的安価で購入できるのもうれしいメリットです。
服に使うなら織布タイプがおすすめ
服に使うなら、摩擦に弱い不織布タイプよりも布の風合いのある織布タイプがおすすめです。
ガーゼのような生地に糊が付いているのがこのタイプです。
不織布のように、紙っぽい感じが出ないので、布の着心地を保ったまま張りを表現できます。
洋服を作るときにカチっとさせたいパーツに貼るとかっこよく仕上がります。
ニット地に使うなら編み布タイプがおすすめ
ニット地に接着芯を貼ってしまうと伸びなくなってしまいます。
そんなときに使いたいのがニット地の接着芯です。
そこまで伸びるわけではないけど織布タイプより自然に仕上がるよ!
不織布タイプや織り布タイプほどしっかりした張りが出ないため、さりげなく強度を出したい時に便利です。
クッション性が欲しいものにはキルト芯タイプがおすすめ
キルト芯の片面が接着芯になっている、接着キルト芯というものもあります。
これはクッション性が欲しい布小物を作りたいときや、服の一部分に同じ布でキルティングにしたい時などに便利です。
使い方次第でいろんなものが作れるので、接着キルト芯もぜひ使いこなしてみてください。
小物づくりの幅が広がるカラータイプもおすすめ
ここ10年くらいで流行り出したのが、裏地として使えるおしゃれな接着芯です。
カラフルなものや柄付きのものまでいろいろあって、裏地なしでも強度とデザイン性が上がる、時短で便利なアイテムです。
簡単にかわいくなるの、ステキですー!
色も柄も豊富だから選ぶのも楽しい!
接着芯の貼り方
接着芯の目的がわかったところで、続いては上手に接着芯を貼る手順についても確認しておきましょう。
接着芯は布より大きいと、接着芯の糊でアイロン台を汚してしまう原因になります。
きれいに貼るためには
- 生地は裁断したい線の3ミリくらい外側をカット
- 接着芯は裁断したい線の1ミリくらい外側をカット
- 貼ってから裁断したいサイズにカット
という手順が無駄なくきれいに貼るコツです。
①大きめに切った生地に
②ピッタリめに切った接着芯を貼ってから
③型紙通りに切る
ってことね。
接着芯には糊が付いている方とついていない方があります。
キラキラしている面に糊が付いているので、間違って当て布に接着芯を貼らないように注意しましょう。
実は私も何度も裏表は間違ってるんだ。
小さいパーツだと特に分かりにくいです…
接着芯を貼るときは、アイロンを滑らせません。
アイロンは10秒くらい押し当てて、持ち上げてから次の位置をまた10秒くらい押し当てて、というように滑らせずに貼り付けます。
生地にによって秒数を調整してね。
アイロンを押し当てて滑らせてしまうと接着芯がよれてしまいますので、くっついてない部分をスタンプしてどんどん埋めていく、という貼り方が基本です。
貼り終えたら表に返して、表からもしっかりアイロンしておきましょう。
接着芯が浮いてしまっている部分もこれで解消できるはず。
もしも貼り間違えてしまった場合は、温かいうちならうまく剥がせる場合があります。
冷めてしまったらもう一度アイロンを当てて温めるとはがせることも。
ただし接着芯が剥がせても糊だけ残ってしまう場合もあるため、できるだけ貼り間違えないように注意してくださいね。
接着芯を貼るのに便利なアイテム
接着芯を貼るのが難しい!という人におすすめしたいアイテムが3つあります。
当て布
当て布は、白くて綿100%の厚すぎない布で代用できます。
要らないハンカチがないか一度探してみてください。
もしない場合や、ちゃんとしたものを選びたいなら、メッシュ状で布が見えるこちらの当て布がおすすめです。
これがないと接着芯の糊がアイロン面にくっついてしまうことがあり、他の生地やアイロンを傷めてしまう原因になります。
500円でアイロンをガードできるなら安いかも。
アイロンのお手入れの頻度も少なくなるです♪
アイロンの友
アイロンの友を使うと、アイロンの滑りがよくなります。
糊や繊維の焦げ付きを防いでくれる効果があるので、接着芯の糊の付着を予防できます。
接着芯の裏表を良く間違っちゃう人にはこれ必須!
ミシン針や縫い針にも滑りをよくする目的で使え、お裁縫の作業効率がかなり良くなります。
通常3年使えるので、ハンドメイド好きさんにはコスパのいい便利グッズですね。
アイロンクリーナー
アイロンクリーナーはアイロンに付着したごみをきれいに掃除できます。
私もよくやってしまうのですが、例えば接着芯の表裏を間違って糊がアイロンについてしまった時、アイロンクリーナーがあればきれいにできます。
アイロンの友とアイロンクリーナーはやらかしちゃう系の私には必須アイテム。
やらかさなくても接着芯をたくさん貼っている間に糊や汚れが付着してしまうので、なんとなく使いにくいと感じたらぜひおすすめしたいアイテムです。
裁縫用のアイロン
高性能のスチームアイロンは洋服のアイロンがけには便利なのですが、お裁縫には以下の理由でかえって不便なんです。
- スチームが出る穴の部分だけ接着芯が浮く
- 細かいパーツのアイロンがけの時にスチームでやけどしがち
- アイロン面に糊が付いて高額なアイロンがダメになってしまう
このような理由から保管場所に困らない人は、スチーム機能がない安価な裁縫用のアイロンを別で購入するのがおすすめです。
おすすめは軽くてシンプルで使いやすい、パナソニックのドライアイロンです。
パナソニックのドライアイロン、すごくレトロでかわいいです♡
かわいいだけじゃなくてすっごく使いやすいんだよ!
かけ面もしっかりフッ素加工で接着芯にもおすすめ!
このアイロンはレビュー数が多いのにいいレビューばかりなので、迷ったらぜひAmazonや楽天のレビューを見てみてくださいね。
まとめ~接着芯で作品のクオリティが上がる!
接着芯は生地にしっかり張りや強度を持たせたいときに使用します。
布小物なら不織布、服なら織布タイプや編み布タイプが適しています。
接着するときはアイロンを滑らさず、上からスタンプする感覚で貼り付けましょう。
作り方の本などには接着芯を貼る部分が指定されていますので、まずは説明の通りに使ってみるのが慣れるコツです。
ぜひ使いこなして完成度の高い素敵な作品を作ってみてくださいね。